デジタル技術を活用した地域創生の「沖縄モデル」に向けて
イベントレポート:ResorTech EXPO 2021 in Okinawa

イベントレポート:ResorTech EXPO 2021 in Okinawa
2021年11月18・19日、沖縄県宜野湾市で「ResorTech EXPO 2021 in Okinawa」(以下、ResorTech Okinawa)が開催された。今回のテーマは「明日への架け橋~グレートリカバリー(大回復)に向けて」。新型コロナウイルス感染拡大の影響が心配される中、様々な感染症対策が施された展示会場には、県内外から76社が参加。オンライン配信を活用したハイブリッド開催により、多くの来場者や視聴者を集めた。

リゾートの地域産業 × テクノロジー

ResorTech Okinawa(リゾテックおきなわ)は、リゾート地における社会的課題の解決と持続可能な経済成長の両立を目的とした国際IT見本市である。3回目の開催となる2021年は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済の「グレートリカバリー(大回復)」に向けた、デジタル技術の活用が大きなテーマとなった。

宜野湾市の沖縄コンベンションセンター会場では、ITを活用した最新の感染症対策ソリューションを導入。そして、オンライン展示会を同時開催するなど、安心・安全に配慮したイベント運営が行われた。

オープニングセレモニーで挨拶をする
ResorTech EXPO in Okinawa 実行委員会 実行委員長 稲垣 純一 氏(左)
SCSK株式会社 代表取締役 執行役員 社長 最高執行責任者 谷原 徹(右)

ダイヤモンドスポンサーとして参加したSCSK 代表取締役 執行役員 社長 最高執行責任者 谷原 徹は、「当社は、自らが事業主体となり、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現するために、さまざまなお客さまやパートナー企業の皆さまとの共創を通じて、新たな社会価値を創出していきます。まさにResorTech Okinawaが目指す、リゾート地における社会課題解決と持続的な経済成長の実現と一致したものとなっています」と、参加の意義を語った。

会場への来場者の感染症対策としては、SCSKの「Pan de seek(パンデシーク)」が導入された。SCSK独自のAIモデルが、カメラに映る複数の来場者を同時に解析し、入場時の体温検知や会場内の密検知など、新型コロナウイルス感染のリスク度合いをリアルタイムに可視化するソリューションである。

「Pan de seek」を活用した来場者の感染症対策

この他にも、来場数日前からの健康状態を確認するアプリの推奨や、QRコードを利用した非接触でのパンフレット配布など、安心・安全なイベント運営のために、ITを活用した様々な感染症対策が施された。

地域創生の「沖縄モデル」に向けて

SCSKにとって沖縄は重要な拠点となっている。システム開発事業やコンタクトセンターにおけるコンサルティング業務など、およそ25年にわたり沖縄での事業を拡大してきた。現在約1,300名が県内5拠点で業務に従事しているという。

また、2021年6月には、沖縄県と「首里城復興におけるDX推進に関する連携協定」を締結。首里城復興基本計画に基づいて、デジタル技術を活用した地域社会への貢献に取り組んでいる。さらに、新たな共創の場として、「Business Design Hub OKINAWA」を浦添市に設置するなど、沖縄の地域創生に向けた活動を強化している。

「沖縄県のスタートアップも含めた企業や、沖縄県庁の皆さまと協力しながら、この沖縄で新たな事業モデルを創出し、それを国内のみならず海外にも展開させ、世界に通用する事業を育てていきたいと考えています」(谷原)

首里城復興DXが目指す未来

今回のResorTech Okinawaでは、SCSKのBusiness Design Hub OKINAWAがサテライト会場として提供された。

サテライト会場では、特別展示品として沖縄県より受領した首里城火災の破損瓦など、貴重な品々が展示された。また、首里城復興の過程をAR技術で体験できるなど、サテライト会場への来場者だけでなく、沖縄コンベンションセンター会場へのライブ中継イベントでも、多くの来場者の関心を集めていた。

沖縄県より受領したBusiness Design Hub OKINAWAの特別展示品

サテライト会場から沖縄コンベンションセンター会場へのライブ中継イベント

Business Design Hub OKINAWAは、沖縄地域との共創による「沖縄モデル」を発信する場にとどまらず、県内の企業や学生を対象とした「ピッチ」や「ハッカソン」、「共創マッチング」といったイベントを通じたコラボレーションの場としての活用も検討しているという。

また、沖縄で事業を展開するSCSKは、地域の雇用促進という観点で、学生や若者からの注目が集まっている。沖縄コンベンションセンター会場のSCSKブースには多くの若者が来場し、担当者が話す「沖縄で、東京の仕事をする」という事業説明を熱心に聞く姿があった。

沖縄におけるSCSKの事業説明に耳を傾ける来場者

ResorTech Okinawaのシンポジウム/セミナーでは、「アフターコロナの観光戦略」や「ITを活用した地方創生」など、様々なテーマの講演が行われ、会場だけでなくライブ配信やアーカイブ配信を通じて多くの参加者が視聴した。

SCSKのDXセミナーでは、「『沖縄からの変革』~沖縄とSCSKの25年、そしてその先へ~」と題して、沖縄とともに歩んできたIT企業にとっての沖縄の魅力や、お客さまと共に歩むSCSKならではのDX戦略についての講演が行われた。

DXセミナーで講演する
SCSK株式会社 業務役員 ビジネスデザイングループ エバンジェリスト 古宮 浩行

展示会場では、リゾート地における社会的課題の解決と持続可能な経済成長を目指し、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済の回復に向けたソリューション、AIやIoTなどの最新のデジタル技術を活用したDXソリューションが数多く展示され、県内外からの来場者で賑わった。

沖縄コンベンションセンターの展示会場

リゾート地を支えるすべての産業と、DXを促進するIT産業との共創から地域創生を目指し、回を追うごとに進化を重ねるResorTech Okinawa。次回は2022年11月17・18日、同じく沖縄コンベンションセンターでの開催が予定されている。

 

沖縄県内に拠点を構えるSCSKグループ

BPO・コンタクトセンター事業
SCSKサービスウェア
「業務ナレッジ」×「IT」×「人財」を強みとして、コンタクトセンターやバックオフィス、ヘルプデスク業務などの領域で、付加価値の高いBPOサービスを提供します。

ニアショア開発事業
SCSKニアショアシステムズ
SCSKグループ各社が展開するITサービスにおいて、ソフトウェア開発や保守業務を中心に、国内の各地方拠点(9県11拠点)からリモートによるサービスを提供しています。

検証サービス事業
ベリサーブ沖縄テストセンター
ソフトウェア検証のパイオニアとして、35年以上にわたり培ってきた技術と経験を駆使し、検証からコンサルティングまで、あらゆる分野の製品やサービスの品質向上に貢献します。

1997年のシステム開発事業の開始から25年にわたり沖縄地域と共に歩んできた